実施理由/背景
学力の向上を目指し教育改革 「小中一貫教育」を実施し5年で全国平均超えを達成
当別町は、全国学力学習状況調査において長らく全国平均以下であるなど、子どもの学力低下が大きな課題でした。そこで、2013年度に一貫教育実施を表明し、教育委員会に一貫教育担当部署を設置するなど、小中一貫教育の研究を開始しました。2015年度には小中一貫教育基本方針を策定し、2017年度には小中一貫教育をスタートさせました。小中9年間で目指す子ども像を設定し、小中学校を行き来し指導を行う講師を配置したり、小中学校合同の学校行事を実施したりするなど、小中学校間の交流を進めてきました。成果はすぐにあらわれ、教育改革に取り組み始めてから5年、2019年度には前述の全国学力学習状況調査において全国平均超えを達成し、続いて2021年度も全国平均超えを達成しています(2020年度はコロナの影響で未実施)。
小中一貫教育導入の理由として一般的な「生徒減少による小中学校の統合」という目的ではなく、「当別町の教育を受けたい」と思ってもらえる独自の教育を目指し、さらに教育改革を前進させます。
プロジェクト内容説明
Society5.0時代に即し地域全体で世界に羽ばたく人材を育てる独自教育モデル
文部科学省によると「society5.0時代において日本は、新技術の創出と導入において他国に比べて厳しい状況にあるが、独自の文化的創造力、日常的な営みや自然にまで美や崇高さを感じ取る美意識等、日本独自の特徴を強みとして新たな価値を創り上げていく必要がある」と提唱しています。
当別町の小中一貫教育では「とうべつ未来学」と称し、「ふるさと教育」「国際理解教育」「キャリア教育」の3つを基軸とした独自教科を実施します。これは、農産物の生産から加工までを学ぶ農業体験学習、山林をフィールドに林業を学ぶ宿泊学習、地元事業者での仕事体験など、地域のフィールドを生かした教育カリキュラムです。
また、GIGAスクール構想による1人1台端末の導入も進み、全生徒に端末を配布しました。コロナの影響で学校へ行けない生徒たちにオンライン授業を行うなどICTを授業に効果的に取り入れています。
北海道の自然などのフィールドを生かした「とうべつ未来学」と「ICTの活用」により子どもの無限の可能性を引き出し、「新たな価値を創り上げる力」をそなえた世界に羽ばたける人材の育成を目指します。
地域の資源「木質チップ」を活用しSDGsに対応した校舎で地域循環型社会を目指す
令和4年4月に小中一体型義務教育学校「とうべつ学園」が開校します。当別町は面積の6割を森林が占め、豊富な森林資源を有します。とうべつ学園は、地域の資源である間伐材などを活用した木質チップボイラを導入し、本町の目指す「2050年までに、町全体のエネルギー供給を再生可能エネルギーで賄える体制構築」に向け、脱炭素を図ります。
また、とうべつ学園は指定避難所として指定されており、この校舎にブラックアウトにも対応出来る設備を導入します。これにより災害時のエネルギー供給が難しくなる場合においても、自立した電力の確保が可能となります。この仕組みは全国の同様の課題を抱える自治体において、導入モデルとして波及効果が期待できます。また、町内においても今後計画される役場庁舎建て替えや福祉センターの設備更新時にも応用でき、今後の発展が期待できます。
目指すところ
独自の教育モデルと脱炭素型校舎で、全国のモデルケースとなることを目指します
(1)地域の独自のフィールドを生かしたカリキュラム「とうべつ未来学」が、Society 5.0時代に即し、地域全体で世界に羽ばたく人材を育成する教育モデルとなること(2)地域の森林資源を生かした木質チップボイラの導入した校舎が、脱炭素と災害に強いまちづくりに資すること
この2つが、地域におけるこれからの教育・校舎のあり方となり、全国の自治体へのモデルケースとなることを目指します。
また、教員だけではなく地域の方々や専門家などが参画し「地域とともにある学校」づくりを推進する仕組み「コミュニティ・スクール」により、林業・農業・歴史・文化などの専門家の力を借りた体験型カリキュラムを行う環境を整備します。さらに、授業をサポートする講師や外国人講師を増やし、生徒一人一人に対するきめ細かな指導を実施します。
これらの先進的な教育環境の情報発信にも力を入れ、より多くの方に当別町の魅力を伝えたいと考えています。これにより「当別町の教育を受けてみたい」と思う子育て世代の移住を促進し、当別町が目指す「2030年までに定住人口1,000人増加」に繋げます。
寄付の使い道
保護者や地域の方々が従来以上に権限を持ち学校運営に参加することで「地域とともにある学校」づくりを推進する効果を期待し、教育委員会及び学校と協議を行うコミュニティ・スクールの運営に活用します。
・運営費用:80万円
内訳
・人件費:48万円
・需用費(消耗品、印刷費):30万円
・役務費(通信費):2万円
自治体からのメッセージ
ご支援いただく皆様へ
この度は「とうべつ版 小中一貫教育」にご興味をいただきありがとうございます。
当別町は「世界に通用する『知・徳・体』を備えた人」を目指し、主体的に未来について考え発信する力を持った人材を育てることを教育目標に掲げています。子どもたちの夢や希望を広げ、その実現に近づくため、プロジェクトを実施します。このプロジェクトを通して、どうぞ温かいご支援をよろしくお願い致します。
当別町はチョコレートで有名な「ロイズ」のスイーツや肥沃な大地で育った農産物などがそろっています。ご支援いただいた方にはささやかながらお礼の品をご用意しておりますので、この機会にご賞味いただければ幸いです。
事業スケジュール
令和3年4月~:とうべつ未来学実施
令和4年4月:小中一体型義務教育学校「当別町立とうべつ学園」開校
令和4年4月:令和4年度コミュニティ・スクール運営開始
令和4年5月:木質チップボイラ導入工事開始
令和5年1月:同工事完了予定
令和4年4月に小中一体型義務教育学校「当別町立とうべつ学園」が開校し、小学1年生から中学3年生(1~9年生)が1つの校舎に集う小中一体型の義務教育が開始されます。コミュニティ・スクールについては同年5月から活動が開始され、1年を通して学校や教育委員会と協議する場を設けるなどの取り組みを実施します。
とうべつ未来学は4月から順次カリキュラムが始まり、学年ごとに農業体験、山林での宿泊学習、英語でのプレゼンテーション、仕事体験などが実施されます。
令和4年5月には木質チップボイラ導入工事が開始され、令和4年11月工事完了後すぐに稼働開始することを予定しています。