実施理由/背景
不登校問題は「北風と太陽」に似ている
子どもが不登校になると、「まずは親である自分がしっかりしなくては」と思い、子どもとの関わり方を工夫してみたり、不登校に関する心理学書などを買い求めてみたり、インターネットのサイトで情報を集めてみたりと、子どもの立ち直りのために手を尽くすものです。
そうした努力によって問題が早期解決できれば、こんなによいことはありませんが、親や学校の働きかけがなかなか功を奏さず、不登校の状態が長引いて、もう打つ手がないように思えるところまで来てしまう例も多いです。これは不登校の児童生徒数が年々増え続けていることからも分かります。
子どもが簡単に気持ちを打ち明けなかったり、口ごたえをしたり、ものを投げつけたりして、親の神経をすり減らすこともあるでしょう。子どもの様子が一向に好転しないと、将来の不安や自責の念や周囲の無理解などが重く心にのしかかって、親の方も精神的につらくなっていきます。
誰もがすぐに気持ちをコントロールできるわけではありません。
力でねじ伏せることなく自然に順応することを待つのは、時を刻む世の中の自然な流れと言えるでしょう。
プロジェクト内容説明
不登校中に安心していられる「居場所」を見つける
不登校であるかどうかにかかわらず、人の「居場所」になるのは、自分が安心でき、居心地いいと感じられる集団・コミュニティです。逆にいえば、何らかのコミュニティに所属しるからといって、そこが自分にとって居心地のいい場所でなければ、本当の意味での「居場所」になっているとはいえません。不登校の間に学校以外の居場所を見つけることは、学校復帰・社会復帰のためにも重要です。人や社会とのつながりの中で視野を広げ、自分に自信を取り戻すことができるでしょう。また、居場所という心の支えは、つらいことがあったときに立ち直るための原動力にもなります。不登校を繰り返さないためにも、心安らげる居場所は不可欠だといえるのです。
個性の尊重を優先
不登校はすでに特別なことではなくなっています。中規模の中学校と高校なら、どちらも10人前後は不登校の生徒が在籍している事になります。ですから「うちの子だけが……」と、ことさらに悲観することはありませんし、不登校=異常と決めつけることも正しくありません。子ども一人ひとりの事情をよく調べて、不登校の態様をつかむことが大切です。
目指すところ
未来の明るい希望のために!
子どもは小さいながらも『学校に行くのが当然』『不登校=子育ての失敗』という社会の空気を感じ取っています。その空気が変わらなければ、子どもたちは学校に行けなくなったあとも、苦しくてひきこもってしまう。死ぬくらいなら学校から逃げてもいいよというけれど、学校に行くのも地獄、行かないのも地獄、そういう状態に追い込まれるんだと思いました。学校に行かないその先を地域の大人が受けとめてあげれば、子どもたちはきっと育っていける。それは未来に繋がる希望になるというメッセージになります。小中学校の中に、「学校カフェ」のような居場所があれば、1人1人の子どものペース(意思)が大切にされて登下校の時間も、学ぶ内容も、子どもが自分で決めることもできるでしょう。不登校の、その先を考える。それは、当事者や学校だけの課題では決してありません。子どもたちの未来は、私たちの社会の未来そのもの。豊かな個性をどう育んでいくのか、私たちに課せられた宿題かもしれません。
まずは、私たちの活動に少しでも興味をもってもらい、社会問題としての認識度も上がってもらえるよう、子ども達の健全育成に全力で取り組んでいきます。
寄付の使い道
不登校の子どもたちの居場所への管理スタッフ人件費・学習や修学に関わる講師への謝礼・オンラインやプログラミング学習に必要な備品購入・子どもたちが勉強するのに必要なテーブル・将来、自立した生活をするためのスキルアップに必要な調理器具や鍋など日常生活に順応する「生きるため」の備品購入等に活用させていただきます。
自治体からのメッセージ
ご支援いただく皆様へ
宇都宮市では、市民協働のまちづくりを推進していく上で、市民の公益活動の維持・強化を図ることが重要であると考えております。
公益活動を行う団体の資金調達を支援するとともに、ふるさと納税を通じて、公益的な団体による活動や特定の事業を応援いただくことにより、全国の皆様が、本市への愛着や親しみを持っていただければ幸いです。
どうぞ皆様の温かいご支援をお願い申し上げます。
事業スケジュール
1~4月:スタッフ顔合わせ、ミーティング(居場所づくりの骨格づくり)・チラシ作り
4・5月:学校や地域にご挨拶、居場所づくりの基本コンセプトの決定
6月以降:週1回不登校子どもの居場所「ライフベース(仮称)」の活動開始・学校カフェの基盤づくり
学校を休んでもいいよと簡単に言うことはできるけど、ただそう言うだけでは将来の進路保障について無責任すぎるのではないかと思います。 学生時代は、学校が自分にとっての社会のすべてだと思ってしまうので、そこにいなきゃいけない、そこで居づらくなったら居場所がないと思いがちです。しかし、学校カフェの創設や、NPO法人等との協同事業など選択肢のひとつとして提案することがが必要です。大人になって「あのとき死ななくてよかった、生きててよかった」と思える日が来るはずです。 そして不登校になった後の進路は大人になったときに「こうしておけばよかった」という後悔が少しでも少なくなるような選択や提案ができると良いなと思います。何が正解なのか今でもわかりませんが、一生懸命な姿勢が少しでも理解・賛同してくれることを願っています。