実施理由/背景
はじまりは、変わりゆく町を守るためだった。
日本がバブルと呼ばれた時代に、豊かな自然を誇る町の風景が一変してしまいかねない開発計画であるリゾートマンションの建設計画が次々に町内で持ち上がりました。当時は、真鶴にリゾートマンションを建てればすぐ売れるという不動産神話があるほどで、その開発圧力の波が町にも押し寄せました。その状況はバブル崩壊とともに、下火にはなっていったものの、将来また同じような町の風景を脅かすような事態、時代が来るかもしれないということで、真鶴町に合った真鶴らしいまちづくりを進めていくという意思のもと、「真鶴町まちづくり条例」を制定しました。そのまちづくり条例の中に、真鶴の美しさを誘導するルールとして定められたものが「美の基準」です。
プロジェクト内容説明
美の基準はわかりにくい..いやそんなことはない、真鶴に昔からある生活のルールだ。
「美の基準」は真鶴の美しさを導くルールであり、8つの原則と69のキーワードから成り立っています。「真鶴町の美しさ=真鶴らしさ」を明文化したデザインコードブックであり、町にとって昔からある自然豊かな風景や町の中にあたりまえのように広がる生活風景がその本にはまとめられています。美の基準の本質とは、(1)「きめ細かく、丁寧につくる」、(2)「周りの環境や人々に配慮する」、(3)「地域の特性を活かす・尊重する」といった生活の作法が息づいていることであり、それが「美しさ」であるということです。この地に暮らしてきた先人たちが生活の質の豊かさとしてきた、ひとつひとつの生活の作法を再確認し、ルールとしてまとめられたものが「美の基準」なのです。
目指すところ
町のアイデンティティを後世に残していきたい。
町には古来からある寺社といった伝統的な建築物や近代的なモダンな建物が立ち並んでいるわけではありません。この地に暮らしてきた先人たちが聖なる所として守り育ててきた森「御林」、豊かな恵みをもたらしてくれる海といった豊かな自然や起伏に富んだ地形が織りなす風景、町内に網目状に張り巡らされた路地には彩られる草花から見られる人々の配慮が息づく風景、そして「山の仕事」「海の仕事」が営まれているどこかタイムスリップしたかのような生活風景がそこには広がっています。そんな「真鶴町の美」を今回制作する映像をとおして町内のみならず、日本中、いや世界中に発信し、質の豊かさがあふれるこの風景を、町民同士がいつまでも共有していけるような町のアイデンティティとして後世に残していければと思っています。
寄付の使い道
まちづくり条例制定30年の記念映像制作費用のために、寄付金を使わせていただきます。なお、寄付金額が映像に係る制作費用を超えた場合は、まちづくり基金に積立し、まちづくりに資する事業に活用させていただきます。
自治体からのメッセージ
皆様のご支援をお願いいたします。
真鶴町は人口も少なく、主だった産業もないため、事業を実施するにしても慢性的に財源が不足しています。各事業執行の際には、様々な補助金や交付金を活用しながら、事業を実施しています。そこで、新たな試みとして、クラウドファンディングを活用し、美の基準普及啓発映像制作事業を実施したいと考えています。真鶴らしい風景を後世に残していくため、皆様の温かいご協力・ご支援をお願いできないでしょうか。重ねてご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
事業スケジュール
令和5年6月:映像制作委託事業者決定、映像制作開始
令和6年3月:映像完成
令和6年3月下旬:試写会予定
令和5年6月に美の基準普及啓発映像制作事業者を決定し、約10ヶ月をかけて令和6年3月までに映像を制作します。映像完成後に寄付をいただいた方々の中で、ご希望される方にお披露目の試写会の開催を予定しております。