実施理由/背景
「知らないから気がつかない」を「知っているから気がつく」に変えたい
「人権」と聞くと固くて難しいイメージですが、日常、暮らしの中にヒントがあります。
例えば、車いすで電車に乗る時「乗ります」と連絡が必要。隣にヘルパーがいると、自身が答えられる質問でも支援者のほうに尋ねられる。急なごはんのお誘いがあっても、支援者がいないと出かけられない。「彼氏」「彼女」といった性別を特定した形でパートナーの有無を聞かれる。日本に住んでいるにも関わらず外見や人種で「日本語上手ですね」といわれる。こうした小さな無意識の言動は「マイクロアグレッション」と呼ばれ、思わぬ傷つきを与えてしまうものです。背景、社会構造によりどういったことが差別や偏見につながるのかを知らない場合、ふと使いがちなものだと思います。
そういった、友人知人、まちの人が小さな傷つきのないように、楽しく学んでいける場が必要だと感じます。なぜなら、人権や差別という言葉は硬いイメージで近寄りがたく、日常に落ちてきません。私たちは遊びを通じた繋がりづくりが得意です。若者でもだれでも、日常の中で楽しく学び、素朴な疑問が声にだせるような繋がりをつくり、日常の中の無意識な人権侵害に気づける人が増えることを願います。
プロジェクト内容説明
社会や自分にまつわることを学ぶ、出会う、つながる、調べる
本プロジェクトでは、主に3つおこないます。
(1)人権にまつわる社会課題のゆるやかな繋がり勉強会
障害、外国籍、貧困、LGBTQ、女性、公害などの社会課題をピックアップして、読書会や講師を招いた勉強会を開催予定です。当事者も勉強会に参加し、リアルな体験を共有、交流、工夫の場を設けます。社会課題に触れたことのない方や興味のない方も呼んで、基本や基礎の共通言語を増やすことを目的としています。
(2)地域に住む方々と出会い繋がれるようなイベントの開催
異文化交流会やクリスマス会や餅つきなどの季節行事のイベントをまちの中で開催し、繋がりを広げます。
「助けてあげるべき困っている人」というまなざしではなく、一緒に暮らすまちの人として出会うことを目的としています。
(3)市内において、「配慮がもう少し必要かも」調査、発表
まちの中へ出かけていき、であった人と話したり、ともに調べて学んだりする機会を設けます。
人権を意識したことのない人と出会う機会の創出を目的としています。
目指すところ
「何か背景があるかもしれない」と思いをはせること
自分と「同じ」であったり、相手と「わかりあっている」と思えると安心します。
しかしながら、すべてが全く同じであるはずもなく、完全に他者と分かり合うのは難しいのではないでしょうか。
私とあなたは異なる存在で、生きている「惑星」が違うのかもしれません。それでも惑星がぶつかり合うくらいたまにあなたのことを「わかった」と思う瞬間があるのも知っています。草は草で生きている。石は石で生きている。ともにいるから景色が美しい。そんな地域を目指します。
分かり合えなさやそれによる恐怖や不安も抱きながら、それでも手を伸ばしてみる。
学んでみる、体験してみる、調べてみる、そのような営みを暮らしの中で一緒に紡ぐ時間をともにすごしてくれる人を増やし、知らなかったことを知らなかったと言える、あたたかな関係を紡ぎます。その関係性が生まれることで「何かしら背景があるかもしれない。だからどういう工夫ができるかな」と考えられる人がまちの中に100人増えることを目指します。
寄付の使い道
下記の用途に使わせていただきます。
・活動人件費 …プロジェクトを進めていくスタッフの人件費
・印刷製本費 / 広報宣伝費 …活動を広げるためのチラシやブックレットなどの印刷費、SNS広告費用
・消耗品費 …イベントや勉強会などで必要となる消耗品類の購入
・交通費 …調査に係る交通費
・謝金 …講師謝金等
自治体からのメッセージ
NPO法人の取組へのご支援をお願いいたします!
尼崎市では、市民、NPO法人をはじめとした市民活動団体、事業者、行政など多様な立場の個人・団体が互いの強みを活かしながら、課題解決や魅力向上に取り組んでいます。
「特定非営利活動促進事業」は、皆さん一人ひとりの力を「寄付」という形で結集し、地域の様々な課題に取り組んでいるNPO法人を支える制度です。地域の課題に主体的に取り組むNPO法人の活動を継続し、拡大していくためにも本事業への温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
事業スケジュール
2023年4月~8月:
・勉強会の準備、打合せ、調整や連絡など
2023年9月~2024年1月頃:
・定期的な勉強会/読書会や交流会の開催
・地域での行事イベントの準備、開催
2024年2月~3月頃:
・市内での活動や調査を広げる
・調査のまとめ、発表
勉強会では、社会課題に取り組んでおられる団体/法人や子ども食堂を取り組んでおられる方、ドキュメンタリー監督、水俣病関連の書籍、青い芝の当事者、など(特に限定せず)様々な活動をしている方へご依頼し、パートナーとして参画していただき、内容の検討を一緒に行っていく予定となります。
地域での行事イベントについては、尼崎市や町会等とも連携して実施したいと考えております。
調査では、市内の施設や団体様に協力を仰ぎ、全5か所ほど回る予定としております。