実施理由/背景
深刻な鮭の不漁、「鮭のまち」から鮭が消えた。
新潟県村上市は1,000年以上の鮭の歴史があります。
古くは平安時代には朝廷に鮭を献上していた記録が残り、江戸時代には、村上藩が世界で初めて鮭の自然ふ化増殖に成功。
以来、鮭を守り育てる鮭のふ化事業を長年継続しているほか、鮭への畏敬の念から、独自の言葉や100を超えるといわれる鮭料理などの文化が色濃く残っていることから、村上は「鮭のまち」と呼ばれています。
鮭の伝統漁法が今も市内で行われ、12月には年末年始の食材として市内のあちこちの軒先に鮭が吊るされる光景が見られるなど、鮭が川に遡上してくる秋~冬は村上の観光のハイシーズン。
しかしながら、今年は深刻な不漁により、市内で鮭がほとんど見られない状態になってしまいました。
「すみません…只今、鮭が一匹もおりません!」
村上市には日本初の鮭の博物館「イヨボヤ会館※」があります。
同館では川を遡上してきた鮭を水槽で展示していますが、不漁で水槽が空になってしまう事態が起きました。
この状況をお知らせしたSNSの告知の一文は大きな話題となったところです。
(騒動から4日後、なんとか鮭の搬入が再開)
※イヨボヤは村上の方言で鮭のこと
プロジェクト内容説明
豪雨災害を乗り越えた矢先の鮭の不漁。「鮭のまち」を未来に遺せるか
近年は全国的に鮭の不漁が深刻な問題になっています。
新潟県内最大産地である村上市内を流れる三面川での2021年の漁獲量は近年で最低を記録、2015年は5万5,000尾ほどを記録したところ、2021年は1万8,000尾と3分の1以下まで減少してしまいました。
これに追い打ちをかけたのが2022年8月に村上市を襲った記録的な大雨。1時間100ミリを超える猛烈な雨が断続的に降り続けた村上市では生活インフラの断絶、広域にわたっての浸水被害、500棟を超える住宅が全壊~半壊の被害を受けるなど、甚大な災害となりました。
この大雨は三面川にも深刻な被害をもたらしました。川に土砂や流木が流れ込み、鮭の捕獲用仕掛けの土台が崩れるなど、この影響により2022年の漁獲量も引き続き落ち込みました。
災害を乗り越え、期待された2023年の漁獲量ですが、11月末時点でこれまでを大幅に下回る不漁に。
毎春行っている稚魚放流のための卵も確保が進まず(例年の10分の1程度)、今後の漁獲量に大きく影響がでる見込みです。今年1年の問題ではなく将来の資源減少、「鮭のまち」を未来に遺せるのか・・・危機感が高まっています。
目指すところ
鮭卵の確保、そして村上の鮭を守る団体を支援したい!
世界で初めて鮭の自然ふ化事業に成功した村上は、以来鮭の稚魚放流を行う等、資源保護や母川の環境整備に取り組んでいます。
毎年の春に母川で鮭の稚魚放流をおこなっていますが、川を遡上する鮭が今年は激減し、稚魚放流のための鮭卵の確保がほとんどできていない状況です(11月末時点で例年の10分の1程度)。域内だけでは確保できないことから、今後全国に協力を求め、鮭卵を集めるしかない状況になっています。
関連して、村上市には前述の稚魚放流や環境保護を行う漁協があります。
しかしながら、前述のとおり必要な卵の確保ができないことや、鮭の販売等による収入も激減したことから団体の運営自体が危機的な状況に陥っています。
母川を守る団体を失ってしまっては村上の1,000年以上続く鮭の歴史も危機的な状況を迎えることになります。
「鮭のまち」の歴史・文化を未来に繋げるため、当クラウドファンディングにて、鮭卵の確保や漁協団体の支援を進めていきます。
寄付の使い道
みなさまからいただいたご寄附は、下記事業に活用させていただきます。
1.市内の内水面漁協団体の支援、稚魚放流のための卵の確保
2.鮭の保護事業、文化・観光振興事業費として
※目標金額に達しなかった場合、また目標金額以上の寄付をいただいた場合でも、上記の取り組みに大切に活用させていただきます。
自治体からのメッセージ
先人の想いを継ぎ、「鮭のまち」を未来に繋ぐために
当プロジェクトのページをご覧いただきありがとうございます。
村上市は、古くから鮭と深いつながりをもった歴史があり、また、鮭の恵みによって発展してきたまちであります。
村上の人々にとって、鮭は欠くことのできない大切な存在であり、長い年月で育まれた鮭文化は今もなお市民の生活に色濃く残っています。
いつまでも「鮭のまち」が続くように、この歴史・文化を守り、そして次世代に遺せるよう皆さまのご支援をお願いいたします。
村上市長 高橋邦芳
事業スケジュール
2023年12月 鮭卵の確保事業(域外からの移入等)
2023年1月~3月 漁協団体への支援
2023年2月~4月 稚魚の放流事業
2023年4月~ その他鮭の保護事業、文化・観光振興事業 等