実施理由/背景
ちはやぶる 神代もきかず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは
三郷町は奈良盆地の156の河川が集まり、大和川として大阪に流れ出る場所にあたります。奈良は大和(山門)と呼ばれるように大阪との境も山で隔てられており、大和川が流れ出る川沿いの道が最も標高差の少ないことから、古代から龍田道と呼ばれ利用されてきました。龍田とは「大和を発った」という意味も込められており、そこから大阪を経て西国の大宰府や大陸に旅立っていきました。見出しの和歌は小倉百人一首でも有名な在原業平の和歌ですが、龍田川とは「大和を発つ川」、今の大和川のことです。
私たちは日本遺産の事業として、龍田道や大和川の環境、そして三郷町に坐す龍田大社などの文化財を整備し、古代と現在の人々を繋ぐことを目的としています。特に和歌で龍田川と呼ばれた大和川は、一時期日本の1級河川で最も水質の悪い川になり、往時の面影が一旦失われました。今も奈良盆地の156の支流からゴミが集まり、府県境の川岸に付着しています。かつて和歌に詠まれ、聖徳太子や天武天皇、聖武天皇らも通り、シルクロードと結びついて大陸から多くの人・もの・知識が入ってきたかつての景色を、少しでも取り戻せたらと私たちは活動しています。
プロジェクト内容説明
龍田古道や大和川の環境整備にご協力ください。
龍田古道とは、古代に聖徳太子や天武天皇、聖武天皇によって整備された龍田道以外にも、大和川の水運や山越えの道を総称したものです。万葉集の和歌には、この地域にあった「瀧」や「桜」、「黄葉」などの景観を詠んだ歌が多く残り、聖武天皇は大和川が蛇行する山間に離宮を築いたことからも、その景観を愛したことが知れます。
しかし、その景観も都市化や亀の瀬の地すべりの影響もあり、大きな変化を余儀なくされてきました。山は崩れ、川は汚れ、一時はかつての面影が失われてしまったのです。そんな中でも諦めずに地すべり対策を行い、桜の植樹をし、川の水質改善に取り組んだ人々がいました。私たちはその過去の人々の意思を継ぎ、和歌に詠まれるような美しい景観に少しでも近づけたいと考えています。特に大和川は、奈良盆地の水と共にゴミも集めて大阪に流れ出ています。それらのゴミが府県境の狭量部で川岸の樹木に付着することで著しく景観を損ねています。継続して龍田古道の整備が行えるよう、ご支援をいただけると助かります。
目指すところ
観光と環境が両立したまちづくり
現在、府県境の亀の瀬では国土交通省大和川河川事務所が亀の瀬地すべり対策のインフラツーリズムのための施設「亀の瀬地すべり歴史資料室」が完成しており、この地域の地形や地質、地すべり対策や治水事業まで学ぶことができる施設となっています。
また、今後整備予定の日本遺産のビジターセンターでは、地域や大和川の歴史のほか環境学習もできる施設となり、この2つの施設のサービスを繋ぐことで、地域の歴史が環境と密接に結びついていることを学べるように考えています。文化庁が進める日本遺産の事業は観光と結びついており、当町の場合も信貴山などの観光施設への誘客とセットになっていますが、同時に大和川や地域の環境を保全することも大きな目的としています。これから観光事業を進めるにあたり、環境などの資源を消費するのではなく、保全し維持する形を模索しつづけ、さらに事業を進めていきます。
寄付の使い道
大和川河川敷のゴミ対策や啓蒙活動、遊歩道の排水機能や階段の整備、展望台の改修、龍田古道の照明設備や誘導看板等の整備、龍田古道沿いに植樹された桜や楓の防虫対策、大和川河川敷にある龍田大社祭祀(日本遺産構成文化財)を行う場所の整備(モニュメントや解説板の設置)、龍田古道沿いの危険木の撤去、龍田古道の草刈り、龍田古道となっている町道の美観整備
自治体からのメッセージ
ご支援いただく皆さまへ
この度は日本遺産「もう、すべらせない!!」龍田古道整備プロジェクトにご興味をもっていただき、ありがとうございます。私たちの日本遺産の活動は、奈良県と大阪府の府県境にある三郷町と柏原市に限定をされていますが、大和川や龍田道、亀の瀬の地すべりの影響は、地域をこえて奈良盆地や大阪平野全域の環境と歴史に関係しています。
川や道が長い時間のなか広域を繋ぎ続けたように、和歌を残した古代の人々や、環境を守るために戦った人々の想いは、地域と時代をこえて子どもたちに受け継いでいきたい!私たちは今、府県、国と地方、さらに官民をこえて、その想いで繋がっています。どうかこのプロジェクトにご参加いただき、温かいご支援をよろしくお願いいたします。
お礼品について
日本遺産のお土産、グルメ、宿泊、温泉、アクティビティをお楽しみください‼
当プロジェクトは、三郷町内のさまざまな事業者さまからご支援をいただいております。
各事業者からは、日本遺産ストーリーにちなんだお土産商品やグルメをつくっていただいているほか、
信貴山の宿泊施設や温泉施設、体験施設からも応援をいただいています。
このことから、当プロジェクトのお礼品は三郷町という町のアイデンティティを表現した各事業者の商品をご用意させていただきました。
このプロジェクトが多くの人々の想いで成り立っていることを、お礼品からも是非感じてください。
事業スケジュール
令和6年5月~ 準備期間
令和6年10月~ 12月プロジェクトに対するクラウドファンディングの募集期間
令和7年度~ クラウドファンディングを活用したプロジェクトの開始
当プロジェクトは、中長期的な目的をもって実施しており、活動を継続していきます。
活動内容や効果は、随時公式HPやインスタグラムを活用し、公開していきます。