〝明石のタコ〟で有名な兵庫県明石で「天満鮨」という鮨店を営んでいる、田中昌文です。
いままで出会ったことのない鮨を、みなさんに知ってほしい。
これが私の想いです。
天満鮨は、完全予約制です。
食材のもつ味わい、料理人の技、そして食べる幸福を、存分に味わってほしいからです。
食べたお客様からは、こんな声が挙がります。
「鮨ってこんなにおいしいんや」
「こんな鮨に出会ったことない!」
「いままでこんなお鮨初めて食べた!」
ある意味、鮨の世界観が変わる、そんなお鮨を、リーズナブルに味わっていただていると思います。
「なんで大きなお皿に一貫なの?」
天満鮨の鮨を初めて召し上がるとき、そう思われるかもしれません。
が、これには理由があります。
鮨は、あの一貫で、「1品」として完成された料理だからです。
ネタ選び、シャリに使う米と酢のバランス、調理の技法、盛り付け、お客様との距離。
すべてにこだわり尽くし、最高の状態でお出しするのが、あの一貫なのです。
中でも、天満鮨は最もこだわっているのが、シャリ。
シャリは鮨の命だと考えています。
なぜなら、シャリがおいしくないと、お鮨をおいしく食べ続けることができないからです。
おいしいシャリの秘けつは、砂糖を使っていないこと。
ほとんどのシャリには砂糖が入っていますが、これがベタつきを生み、ネタの味が損われると考えています。
だから天満鮨では、米の甘みだけで甘さを出すため、4種類の米をブレンドして炊き、その米と最もマッチングする酢を使っています。
また、四季によっても甘みや酸味は変わってくるので、季節ごとにブレンドを変えています。
そして、お客様にお鮨をご提供する前に、小さな「シャリ玉」を食べていただき、今日のシャリはこんな感じですよ、というものを味わっていただいています。
そこに、その季節で最もおいしい全国の魚介を組み合わせる。
これによって、人生が変わるほど感動的においしい鮨ができあがるんです。
私が鮨をにぎるとき、いつも心に留めていることは、「感謝と供養の心」です。
これは、作り手としての視点だけでなく、お客様が召し上がるその瞬間にも通じるものです。
鮨を通じて豊かな時間を過ごせることへの感謝の気持ち、そして、食材の命をいただくという供養の気持ち。
その気持ちこそが、私が鮨を通して伝えたいことです。
カウンターをはさんで、料理人である私とお客様との距離はわずか20〜30㎝。
やっていることを包み隠さずお見せするという意味をこめて、あえてお客様の目の前で料理をしています。
それが、私たちがお客様にできる唯一の信用提示であり、「料理人としての心」だからです。
ちなみに、カウンター越しにお客様と交わすのは、こんなやりとりです。
「今日のアジは和歌山産です」と言いながら、魚まるごとをまずお見せする。
生き物の姿を見てほしいからです。
そして、さばいた上で、昆布でしめたり、表面処理をしたり。
すべてお客様が見ている前でやります。
そうして最高の状態にしたネタを、シャリとの温度バランスをとりながら、空気を含ませて握る。
さらに、お客様にお出しするときは、わさびの産地までお伝えする。
ここまですると、こう言われます。
「大将、変態やな」
でも、口に入れた瞬間、多くのお客様が天を仰ぎ、おいしさにうなり声をあげます。
なぜここまで鮨にこだわるのか。
その理由は、どん底を経験した私の過去にあります。
オトコが包丁を持っているかっこ良さにひかれ、料理人になった私は、フレンチ、料亭、ホテル、旅館、病院と、食が必要なありとあらゆる場所を、渡り歩くように修業しました。
でも、当時の私は、稼いだお金は全部使ってしまう欲のかたまり。
当然、結婚生活はうまくいかなくなり、あるとき、無一文で家を出されてしまいました。
そんな私を、助けてくれた友人や知人がいました。
お金のない私にご飯をごちそうしてくれたり、お風呂に入れてくれたり。
「親身な人っているんだ…」
初めて人に心から感謝しました。
20代半ばになり、老人ホームで料理をしていたとき、食通だった祖父がガンにたおれました。
そんな祖父の最後の願いが、「鮨が食べたい」だったのです。
私のにぎった鮨を食べたじいちゃんは、こういいました。
「お前の鮨が、一番うまい!」
私はずっと考えてきました。
自分は何のために生まれてきたんだろう。
助けてくれた人のために、どんな恩返しができるんだろう。
そして出した答えが、鮨屋をオープンすること。
日本を代表する食「鮨」を通じて、感謝する幸せ、命をいただく尊さ、世界観が変わる味との出会いを、心ゆくまで楽しんでほしい。
じいちゃんのように、鮨を食べたそのひとときが、明日の力になること。
これが僕の望むことです。
このほど、「感謝のにぎり(仮題)」という本をつくろうと決心したのは、鮨の世界観にふれることで、生きる喜びや活力を感じてほしいからです。
たとえ天満鮨に来なくても、豊かな心になれる。そんな一冊をつくります!
分厚い本は、読むほうもしんどいと思いますので、30数ページの小冊子にまとめる予定です。さっと読んでいただける、これまでにない「鮨ストーリー」です。
鮨づくり通じて得た経験や知識のほか、欲のかたまりだった自分を変えた格言や人生訓も伝えます。
忘れていた大切な想いを取り戻していただく、そんなきっかけになればと思っています。
食べることは生きること。
数々のリターンを通じて、感謝の心に満ちた本当に豊かな人生送ってくださることを、心から願っています。
---資金の使い道
- 書籍の制作・印刷費
- 鮨イベントの開催費
リターン
- 書籍の提供
- 資金提供者には、私の書籍を贈ります。
- 特別な食事体験
- 資金提供者には、特別な空間での食事体験を提供します。
- オリジナル寿司コース
- 資金提供者専用のオリジナル寿司コースを提供します。
最後に
このプロジェクトを通じて、ただ美味しい鮨を提供するだけでなく、食材や人々への感謝の心を広めていきたいと思っています。
皆様のご支援をよろしくお願いいたします。
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