今回のポデーレ・トッコ・ワイナリーの舞台である大町町についてのご紹介です。
佐賀県杵島郡大町町は、かつて「杵島炭鉱」の企業城下町として栄えた町です。昭和12年には、県内出炭高109万トンのうち83万トンを占め、県下一の大炭鉱として佐賀県の産業発展に寄与しました。全国各地から労働者が集まり、昭和16年には町民人口も24,000人を超えました。時代の変遷と共に、エネルギー需要が石炭から石油へと変わり、この「エネルギー革命」の波を受ける形で、昭和44年に杵島炭鉱は閉山しました。閉山後、工場誘致等の閉山対策を行いましたが、大半の人口が流出し、現在では約7,000名の街となっております。
炭鉱町として栄えていた頃、山の土地では稲作をメインにされていましたが、当時のみかんブームの背景を受けて水田がみかん栽培へ変わって行きました。その後は後継者不足の為に耕作休止している畑も増えてきています。
そんな中、視察に訪れた元みかん畑の土地を発見することになりました。そこは遊休農地ながらも地主さんのお手入れが行き届いており、南向き斜面で日当たりが良好、ぶどう作りに最適な土地だったのです。
見つけた畑の位置や形状といったポテンシャル、なにより元みかん畑の土地から見える景観を気に入った私は、早速地主さんとコンタクトをとり、ワイン造りをしたい、ブドウを育てたいという思いを直接伝えました。地主さんと何度もお話を重ね、畑に対する想いを共有し、ついには、畑をお借りすることができました。
こうして、ワイナリー開設に向けて具体的に進むことになったのです。
これも大町町との出会いが大きく、大町町の皆様にも支えていただき、実現できたことを大変感謝しております。
これから、大町が誇るブランドとして「ポデーレ・トッコ」を育てるべく、励んで行きたいと思います!