タイのミャンマー国境の街メーソットには、クーデターや内戦で国を追われるなどしたミャンマーの子どもたちがたくさん住んでいます。百校以上といわれる移民学校が開設されているほか、中には親元を離れて子どもだけでタイに渡ったり親を失ったりして、施設で暮らす子どもたちもいます。そんな子ども向けに歯科衛生の講習を行っている歯科医の松本敏秀・さえ夫妻の活動に同行しましたので、レポートします。
12月1日には、松本夫妻がメーソット・グレース教会で約50人の子どもに、正しい歯の磨き方などを教えました。この教会には孤児院が設置されており、そこに住む子どもたちや、礼拝に参加したミャンマー人の子どもが参加しました。
メロディにのせて口を動かす「あいうべ体操」のほか、ぬいぐるみを使った歯磨きの実演などが行われ、敏秀さんの軽快な語り口に子どもたちは大笑い。「食べたらちゃんと歯を磨くように」と言って、ひとりひとりに菓子と子ども用の歯ブラシを手渡しました。
松本夫妻はかつて、ミャンマーの農村部で歯科講習のボランティア活動をしていましたが、クーデターなどで渡航が難しくなり、タイのミャンマー国境での活動を始めました。夫妻によると、この地域のミャンマー人児童たちは歯科衛生の知識を学ぶチャンスに乏しく、また歯医者にかかることも簡単でないため、虫歯を放置して悪化してしまうケースが多いそうです。ドキュ・アッタンでは、メンバーがタイ渡航の際に日本から子ども用歯ブラシを運搬するなど若干のお手伝いをしています。